ISBN:978-4065130759 ヘーゲルを越えるヘーゲル
近代哲学の結節点とも言うべき「ヘーゲル」は、その最大の批判者である「マルクス」とセットで語られることが多かった。マルクス主義の核とも言うべき「唯物史観」と「唯物弁証法」がそれぞれ、ヘーゲルの「精神」中心の歴史観と弁証法を克服するものとして構想されたからである。
マルクス主義
原始共産制社会→奴隷制社会→封建制社会→資本主義社会→社会主義社会→共産主義社会
歴史の終わり = 人間は自然あるいは所与の存在と調和した動物として生き続ける
歴史の終わり
ヘーゲル=マルクスの「歴史の終わり」論を、現代の社会科学の知見や道徳的な規範をめぐる哲学的議論の現状と大きな齟齬が生じない形に変形して維持していこうとしている人たちと、「目的」に向かっていく「歴史」という考え方自体が西欧近代の幻想であり、それに固執することは無益だとする立場がある。
前者
後者
歴史とは物語に過ぎなかった
両者の言語観
リオタールは、言語の本質を人々の間の対立を際立たせる「抗争」にあると見ている。社会の中で様々な立場にある人々は、それぞれ自分たちの利害・関心に適う言説を有効なものとして流通させようとして「抗争」する。
主体性は主体が属している社会のあり方によって条件付けられているはず
無意識レベルの欲望によって動かされている面がある
≠ 科学主義的、論理主義的アプローチ
ヘーゲルの3レベルの承認
協同の労働によって物質的な欲求を満たすと共に愛という感情にも結びついている家族
財産所有者同士の交換によって成り立つ市民社会
法
公共的生活に積極的に参加する姿勢をともなった主体->共同体規範へのコミットメント
TODO
ヘーゲルは法を人々の自己意識を方向付け相互に関連付け共同体の秩序を作り出すものとして捉える
権力者がどうこうできるものではく、共同体のメンバーの自己意識の形成に先行し自意識の中に浸透している法がある
犯罪者になる瞬間は共同体のメンバーと自覚する
男性性と女性性の対立
男性性
共同体の利益
女性性
家族などの私的な利益
法とは両者を切り分け共同体の利益を優先するもの
フェミニズム的的には女性的なものを非公共性の権化とみることには異論がある アンティゴネーに割り振る役割
ヘーゲル:国家の法に対抗して挫折する女性の役割
いずれも法の役割を明らかにするためのいけにえ
犯罪は無意識の領域にあった欲望を意識化する
無意識にあったもの
ヘーゲル: 共同体の規範
バトラー: 神々の法